日別アーカイブ: 2013年12月13日

「ひびきカレー」だよ

毎週金曜日のお昼は、会社のメンバーで作ってきたカレーを食べることにしていて、今週は私がカレー担当だった。

今週は、海上自衛隊レシピページより「ひびきカレー」を作ることにした。

今回のカレー作成プロジェクトは、

  1. 金曜日のお昼に食べるので、一晩寝かせるために 12 日夜に完成させる。
  2. 牛肉をワインに漬けて1晩寝かせるために 12日の夕方までに牛肉を準備する。

といった感じで進めた。
夕刻に

私「あ、買い物に行ってきます」

と言って夕刻に会社を出て牛肉や他の食材を購入。会社は調理禁止らしいので、自宅に帰って下ごしらえをした。

P1000534
赤ワインに漬け込んだ牛肉
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水にさらされまくってるジャガイモ
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厚めのいちょう切りにしたニンジン
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生姜とニンニクのみじん切りと、玉ねぎを切ったもの
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牛肉と玉ねぎを痛めている様子

で、フライパンから材料を鍋に移してしばらく煮込んでいたわけだが、この「ひびきカレー」は隠し味の1つとして白桃のみじん切りを混ぜるらしい。
カレーに白桃とか入れたことなかったので、少しビビりながらも刻んで入れる。

P1000541
白桃 Before
P1000542
白桃 After

そして 13 日(金) の朝、ぶっちゃけ深夜にカレー作ってて眠かったので、以下のようなやりとりをチャットで行ってから出勤した。

curry_chat_2013_1215

「2度寝って、恐ろしいですね!」

ともあれ、昼にお客さんも交えて食べたカレーはおおむね好評だった。
ただ、8皿ぶん作ったのに4人で完食したのは想定外だった。作る量に関しては再度検討が必要かもしれない。

最後になったが、海上自衛隊のみなさん、ありがとう!

「赤城さんのお風呂タイマー」の仕組み

赤城さんのお風呂タイマーとは

「赤城さんのお風呂タイマー」は「艦隊コレクション -艦これ-」用のタイマーツールです。タイマーの値をこのツールから確認できるため、ゲーム時にタイマーの値を見に行く手間を減らすことができます。「赤城さんのお風呂タイマー」では、タイマー値の取り込みをキャプチャした画像の OCR で行なっています。

処理の概要

赤城さんのお風呂タイマーでの処理の概要は、以下のような流れになります。

    1. ユーザがキャプチャボタンを押したら処理を開始する。
    2. ゲーム画面位置を検出する。
    3. タイマー値の OCR 処理を行う。
    4. 取り込んだタイマー値をファイルに保存し表示に反映させる。

empty_capture wind_0_90 value_captured

詳しい処理は、以降で順に説明していきます。

ゲーム画面位置の検出

キャプチャボタンが押されたときに画面のスクリーンショットを GUI ライブラリの Qt の機能で取得し、その画像内からゲーム画面の位置推定を行います。

具体的には、あらかじめゲーム画面とマッチする画像を用意しておき、画像処理ライブラリの OpenCV のテンプレートマッチングでゲーム画面の位置を推定しています。マッチングに用いる画像はゲーム画面の拡大率が 100 % 用のものと、100 % 以外用の 2種類あります。

ゲーム画面の拡大率が 100 % のときの処理

ゲーム画面と同じ大きさの画像を用意し、OpenCV の matchTemplate() を用いてマッチングを行なっています。マッチング用の画像はツールの data フォルダにあり、何かあった場合にユーザでも変更できるようになっています。

frame
テンプレート画像
frame_100_matched
マッチング結果を赤色で表示

それなりに良い精度で認識してくれます。ありがとう OpenCV !

ゲーム画面の拡大率が 100 % 以外のときの処理

この処理は 100 % 用の画像でのマッチングに失敗した場合に行われます。処理の概要としては4すみ用に L 字型のマッチング画像を用意しておいてマッチングさせ、結果として、ゲーム画像の1辺が推定できればその大きさをゲーム画像として処理します。

frame_success
揃っている辺があれば認識できたとみなす
frame_fail
揃っている辺がなければ認識失敗とみなす
推定した位置の扱い

ここで推定したゲーム画面の位置は、以降のタイマー値の読み込みに成功した場合にキャッシュされます。つまり、タイマー値が適切に読み込めた場合は、次回のキャプチャ時にはこれらのテンプレートマッチングの処理は省略されます。
デバッグ動作時に出力される profile_log.txt によると、この推定には 300 ms 程度の時間がかかっているため、2回目以降はその時間だけツールのレスポンスが早くなります。

タイマー値の OCR 処理

ゲーム画面の位置推定が終わったら、タイマー値がある位置を切り取り Tesseract OCR にて処理します。

OCR 処理結果の取り込み

タイマー値の種類は「遠征」「入渠」「建造」の3種類がありますが、それらのタイマー文字列の場所と大きさはツールの data フォルダにある number_positions.yaml で管理しています。タイマー位置の定義をファイルにしているのは、いずれ UI が微調整されたときに各ユーザでも対応できるようするためです。
data/number_positions.yaml の全文

# Mission
- 1:
? - size: 88x17
? - positions:
??? - 0: +710+391

# Repair
- 2:
? - size: 102x23
? - positions:
??? - 0: +610+160
??? - 1: +610+241
??? - 2: +610+322
??? - 3: +610+403

# Create
- 3:
? - size: 100x26
? - positions:
??? - 0: +394+181
??? - 1: +394+259
??? - 2: +394+337
??? - 3: +394+415

# Mission name
- 4:
? - size: 128x1
? - positions:
??? - 0: +584+118

このツールでは、このファイルで定義された位置の矩形画像に Tesseract OCR を用いた OCR 処理を行います。OCR 処理で得られた文字列が「01:23:45」のように、数値とコロンから構成されていた場合のみ、読み取りが成功したとみなしています。

target_2.0

現状では OCR は tesseract.exe をパッケージに含めて実行してますが、これは Windows の MinGW でのビルドでは Tesseract OCR をライブラリとしてリンクすると実行ファイルである bath_timer.exe の実行に失敗するようになったためです。今でもこの問題の解決方法は調査できていません。

OCR 処理の順番決め

タイマー値には「遠征」「入渠」「建造」の種類がありますが、これらが同時に表示されることはなく、ゲーム画面には1種類しか表示されていません。なので、このツールでは現在のシーンの推定を行い、タイマー値がない場所への OCR 処理を減らすようにしています。

  • やっていること
    • ゲーム画面の画素の色から現在のシーンを推定する。
    • あるシーンのタイマー値が取得できたら、他のシーンのタイマー値の OCR 処理は行わない。
    • 推定したシーンのタイマー値が取得できなかったら、他のシーンのタイマー値について OCR 処理を行う。

scene_estimate_mark? 推定に用いる画素の位置

1回の OCR 処理には 30 ms から 80 ms 程度の時間がかかるため、このような対処を行うことで、(それなりには) ツールのレスポンスを改善しています。

「遠征」の OCR 処理について

遠征以外については、タイマー値の場所が固定なのですが、遠征のみ「遠征の種類」「その遠征のタイマー値」といった構成になっています。

「今のタイマー値がどの遠征名のものなのか」を処理するために、このツールでは遠征名の画像に対応するキーを生成し、そのキーにタイマー値を対応させています。

具体的には、遠征名から 128 x 1 サイズの画像を切り取り、それの CRC 結果をキーとして利用しています。これにより「遠征1」のタイマー値と「遠征2」のタイマー値を区別しています。

mission_rects

取り込んだタイマー値の保存

取り込んだタイマー値は、タイマー値を PC が取り込んだ時刻と取り込んだ値をペアで timer_items.csv というファイルに出力して保存しています。これにより任意の時刻にけるタイマーの残り時間が一意に決まります。

将来的なゲーム UI 変更への対処

私がプログラマでいる限り必要だと思ったメンテナンスは行うつもりですが、私のメンテナンスに我慢できない人がいるかもしれないので、このツールはオープンソースで開発しています。

また、ゲーム UI 変更に伴ってゲーム画面のサイズ変更やタイマー値の位置変更がなされた場合のために、ユーザでも対処できるようにゲーム画面認識用のテンプレート画像やタイマー文字列位置の定義ファイルはツールの data フォルダに配置してあります。(もちろん、このツールが必要なくなる UI 変更は大歓迎です!)

最後に

この記事において誤記、およびわかりにくい箇所があればお知らせ下さい。
修正いたします。